夏季の介護・ヘルスケア現場では、高齢者本人の体調管理だけでなく、支援する職員の安全管理も重要です。厚生労働省は、高齢者の熱中症予防について「水分補給」と「暑さを避けること」を基本として示しており、日常的な見守りや声かけが欠かせません。

高齢者は室内でも注意が必要

高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくく、室内でも熱中症になることがあります。介護現場では、室温・湿度、表情、発汗、食事量、水分摂取量、排泄回数などを日々の記録とあわせて確認することが実務上の基本です。

熱中症警戒アラートが発表されている日は、屋内でもエアコン等を適切に使用し、涼しい環境を保つことが大切です。また、こまめな水分・塩分補給を促し、体調変化を伝えにくい方には周囲からの声かけと観察を行う必要があります。

職員側の熱中症対策も確認したい

熱中症対策は、利用者支援だけでなく、職員の労働安全衛生にも関わります。厚生労働省が公表した令和7年の職場における熱中症による死傷者数は1,803人であり、職場での対策強化も重要になっています。

また、令和7年6月1日施行の改正労働安全衛生規則では、一定の暑熱環境下で作業を行う事業者に対し、熱中症のおそれがある作業者を早期に発見する体制整備、重篤化を防止する手順の作成、関係作業者への周知が求められています。

現場で確認したい実務チェック

介護施設や訪問介護の現場では、次のような確認が有効です。

  • 室温・湿度・暑さ指数(WBGT)の確認
  • エアコン、扇風機、遮光カーテン等の使用状況
  • 水分補給の声かけと記録
  • 体調変化を伝えにくい方への観察
  • 職員の休憩、水分補給、緊急連絡体制
  • 熱中症が疑われる場合の対応手順の共有

夏季の介護では、「本人が大丈夫と言っているか」だけで判断せず、環境、観察、記録、連絡体制を組み合わせて確認することが大切です。利用者と職員の双方を守るためにも、公的情報を定期的に確認し、現場の運用に落とし込むことが基本となります。

FAQ

高齢者の熱中症対策で特に大切なことは何ですか?

水分補給、暑さを避ける環境づくり、周囲の見守りです。本人の訴えだけで判断せず、室温や日々の記録もあわせて確認することが重要です。

介護職員にも熱中症対策は必要ですか?

必要です。夏季の介護現場では、利用者だけでなく職員も暑熱環境の影響を受けます。休憩、水分補給、早期発見、緊急連絡体制を事前に共有しておくことが大切です。

参考資料

  • 厚生労働省「高齢者のための熱中症対策」
  • 厚生労働省「熱中症関連情報」
  • 環境省「熱中症予防情報サイト」
  • 環境省「暑さ指数(WBGT)について」
  • 厚生労働省「令和7年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況」
  • 厚生労働省・各労働局「職場における熱中症対策の強化について」